Onomachi


空間や まわりの人々には 目もくれず
一点一点食い入るように 作品と対峙されていた
ひとりの中年男性

北からいらしたその方は 別の街で 数泊するはずが
愉快な事情あり たまたま 和歌山に降りたった いう
そして美術館で 僕のフライヤー目にし
なんで今 ここで個展が と驚き
そして そのままZONE に吸い込まれた と

なぜかというと
数年前 東京で観た 僕の小さな一点を忘れないで いてくれ
その僕の展示が この街で 行われていたから

そして ちょうどその一点を
壁のはじに ぼくは掛けていたので
それは この後
その方のもとへ ゆくことに

縁の不思議
こういうことが あるから
今生なるものも 楽しいものです
何年も人の頭の中に 作品の残像が
あったことの うれしさ

大きな体にリュック
多すぎる荷物を 両腕に
汗だくのその方は
にこにこ街に消えて行きました


そしてまた別の 小さなひとつも