田中恭吉

田中恭吉
作品部分 まるい光は照明の反射


「 科学と芸術とが 鉢合わせをし、
その火花の中に 二十一世紀がくる
その頃は すでに自分は 土の下で腐っている。
結合し分解 そのはてしないるてんのうちに
人間は だんだん愚になる。
人は 賢さをもとめて 愚となることを喜んでいる 」


23歳 結核で夭折という(上はその直前の言葉)
出来事がなくても(人は「人生」なるものが好きなんで)
10代の写生や のちの画面に
確かな いわゆるデッサン力やバランス感じ


しかし 不慮の事故であれば
まだその生涯は美化されることも ありましょうが
喀血 死の宣告 命尽きるまでの時間を抜きにして
うねるラインや刻み込まれた線
その緊張感は なかったでしょう
肉体におこることは 作品と切りはなせないもの


田中恭吉

その10〜20cmほどの小さな画面に
挿絵等のためのデザイン性に収まらない 膨張を
また 別の世界覗く 手の中の「窓」的な要素 感じ
(絵画というモノ自体 すでに「窓」かもしれませんが)


悲しいかな この自分も
椎間板ヘルニア再発や強い傷みの時
集中力が いっそうあがった不思議
危機感から来るものでしょう


明治から大正へ
熊楠さんも同じころ この土地にいたんやと
その時代の 厳しさも感じられたものです


「田中恭吉 展」和歌山県立近代美術館にて 10月14日まで
も一度 覗きたいものです