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妻木良三展「渚にて」
2017.11.11 sat ~ 12.03 sun 12:00~19:00(月休)
アーティストトーク 11.23 thu 18:00-19:30
会場:KUGURU
〒990-0042 山形県山形市七日町2丁目7-23 とんがりビル1階
詳細:とんがりビルHP


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この夏、特急くろしおに乗って、和歌山県有田郡湯浅町にある妻木良三の画室を訪ねた。妻木は同地で400年続く浄土真宗本願寺派本勝寺の住職である。湯浅は明恵上人所縁の地であり、その奇態な細密画に、聲明の響きや補陀落渡海、熊楠の粘菌など紀伊半島の濃厚な土着を帯びたあれこれを、クレイアニメーションのように次々と連想してしまう。
 画室には、妻木が湯浅の浜で拾い集めた亀の甲羅や小動物の骨が整然と並べられていた。浜辺を歩くのを日課にしているという。壁に立てかけられていた近作は、これまで彼がくりかえし描いてきた俯瞰の盆景ではなく、低い視線からうねる波のような、砂紋のような、雲海のような不穏なビジョンを捉えていた。
 南紀の浜で、常世からの贈物のような漂着物を探し歩く若い僧侶。私はふと、遠野物語99話を思い起こした。明治29年の明治三陸地震津波にまつわる奇譚である。大津波で妻子を失った男が、月夜の砂浜を歩いていて、死んだはずの伴侶とすれ違う。渚は現世と常世の接点である。震災以後の東北に生きる私たちは、このような幽霊話も、妻木が描く世界も、みな空想や概念ではなく、現実の光景であり得ることを知っている。
 妻木は生と死を「すやり霞」のようにつなぐ渚の描き手である。その緻密な鉛筆画は、遥か海の向こうの須弥山的想像力から、(彼が集める亀甲のように)列島に打ち上げられるメッセージのようだ。
(企画:宮本武典)
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企画:kanabou
お問合せ:株式会社マルアール
Tel:023-679-5433
Mail:info@maru-r.co.jp


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